顔の見えない恋 -第二話-

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朝を迎えた。気怠い朝だ。

雄也はまだ意識が朦朧としているが携帯を手探りで手に取った。

LINEを見て更に気怠くなった。

麗奈へ送ったメッセージが未読となっている。

「まだ見てないのか。いやわざとか?」

一昨日、いっしょに飲みに行って結婚話をされて動揺したのだ。

「俺に覚悟がないからな。」

「結婚して共働きならいいが、子どもできたらやっぱり不安だな。」

「会社も成果主義だし、成果が出ないと上がるものも上がらない。」

雄也は俯いて小さく独り言を呟いた。

この国が抱える晩婚化、少子化の渦中に雄也たちの年代はいるのだ。

結婚した友達にはディンクスを決めた夫婦も多い。今もそうだが老後も不安だからとそうしているんだ聞いたことがある。

子どもがいない夫婦だけではない。一人いる者や二人いる者も多くはないがいるのは事実だった。

そう考えてまで結婚している友達をみると、自分の甲斐のなさに腹立たしい思いがいっぱいになった。

「俺らの世代はみんな同じじゃないか。」

自分が麗奈にどう向き合っていくか真剣に考え始める切っ掛けとなったことは間違いない。

仕事が終わったころに麗奈の会社の前で待つことにした。

今精一杯考えて、今の本心を素直に打ち明けようと考えた。

今日は会社を休んでこのことだけに頭を集中させる。

会社には体調不良の連絡を入れた。

 

雄也は葛藤した。残された時間はない。

時間を掛けて考えた方がよいに決まっている。しかし、彼女はそうは待たないだろうと考えたからだ。

自分が男としてどうしたいか、必死に考えて麗奈の前で麗奈とのことをはっきりさせたい。

それが、麗奈に対する今自分の持てる最大限の愛情だと考えた。

「男って勝ってだな。女心がわからない俺様なんだな。よし決めた。絶対にぶれない。」

と声を大にして決断した。

 

雄也とのことを将来にわたって考えている麗奈の気持ちは理解できた。

彼女が愛おしくなった。これは紛れもない事実であり気持ちだ。

将来を見据えて、全身全霊で付き合っていくと宣言することに決めた。

 

夕方になり、麗奈の退社時間が近くなった。

麗奈の会社の前で雄也は待った。一時間ほど待っただろうか。麗奈が会社から出てきた。

 

走って彼女の前にでた。

「ごめん。電話でもよかったのかもしれないが、麗奈に直接言った方がいいと思って会社まできたんだ。」

彼女は驚いた表情と少し戸惑いの表情を合わせた顔をしたかに見えた。

「LINEで連絡貰ってたけど、返事できなくてごめん。」と麗奈は俯きかげんで言った。

「あなたとの関係を少し整理しようって考えてた。。。」

二人の間に沈黙が支配し始めた・・・

 

-第三話に続く-

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