顔の見えない恋 -第三話ー

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二人の間に沈黙が支配し始めた・・・

二人は無言でしばらく宛もなく歩いた。沈黙が重苦しいのか麗奈から口を開いた。

「わたしね、会社の先輩に付き合ってくれないかって言われてるの。」

「あなたもはっきりしないし、わたしももうそれなりの歳だから先輩の気持ちを受けようかと思ってるの。」

「ねぇ。祝福してくれるでしょ。」

「わたし達もう終わりにしようよ。二人として何もなかったからここで終わり。」

これは、わたしの本心でもあり、雄也にわたしのこともっと見て欲しいというメッセージも込められている。

雄也がどう取ろうがそれは雄也自身の感性だから、わたしは雄也の考えを尊重することに決めている。

「ちょっと待ってくれ!俺は麗奈のことが好きだ。愛している。今まで友達感覚でいたけど、俺の中で踏ん切りがついた。」

「だからちゃんと付き合って欲しい。」

「俺からのお願いだ。麗奈を大事にする。」

 

正直、わたしはこの言葉が嬉しかった。ずっと待ち続けていた言葉だ。

でも、不安は残る。今までの彼との付き合い方だ。

わたしはいつも二番手。これがどう改善されているのかプロセスが見えないからだ。

 

「雄也ごめん。今日は結論は出せない。言ってくれた言葉は嬉しいよ。でもね、わたしはわたしの中で納得してないの。」

「だから今日は帰ってくれる。こんな時間にわたしの会社の前に居たってことは休んだの?」

 

「そうだ。麗奈にはっきり好きだと言うため、会社を休んでお前が出てくるまで待ってた。」

 

「そうなんだ。ありがとうね。でも今日はじっくり考えさせて。先輩とのこともあるし。」

「正直言って、雄也と先輩を天稟に掛けると、先輩の方がわたしを本当に必要と思ってくれるんじゃないかと感じてる。」

「大事にする。愛してる。好きだなんていつでもなんとでも言えるよね。これからわたしを二番手でなく一番にしてくれるプロセスを明確にして」

「それがないとわたしはあなたを信頼できない。それが今ここで言えるの?」

 

雄也は黙ってしまった。将来を見据えて、全身全霊で付き合っていくと宣言するつもりだったが、自分の考えが甘かったのが露呈した格好になった。

「麗奈こめん。俺まだまだ覚悟が足りないようだ。」

「お前をどうしたら満足されられるかを自分本位でしか考えてなかったようだ。」

「格好悪い男だけど、先輩との話は少し、いや一週間待ってくれないか?」

「一週間でしっかりとしたプロセスを出す。これは誓う!頼む!」

 

言葉だけ取ると嬉しいが、正直どうなんだろうと直感的に思った。たった一週間で答えが出るのか?

何を焦ってるのかわたしには理解ができなかった。でも期間のことは言わないことにして、一週間後に答えを聞くことにした。

 

こころは揺れ動く。でもこの先があるのか凄く不安だ。

一週間ある。わたしも何故雄也と時間を共有してきたのか、この先私自身どうすべきなのか考える時間を得た。

 

ー 第四話に続く -

 

 

 

 

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